令和7年度 保育士処遇改善加算制度の一本化の考察
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「処遇改善等加算」に一本化の経緯
事務手続きの簡素化等の観点から、「処遇改善等加算」に一本化することが令和7年度からきまりました。
イメージとしては、加算Ⅰ(基礎分)=区分1、加算Ⅰ(賃金改善分)及び加算Ⅲ=区分2、加算Ⅱ=区分3となります。
制度を簡潔にするため、賃金改善計画書の作成が原則不要(新規園除)になりました。
また、起点の考え方がなくなり、シンプルに前年度の賃金との比較になりました。
これまでは、起点賃金に処遇改善手当が含まれていたたため、園児数の減少、土曜日閉園等の影響があっても賃金を維持しなければいけませんであした。新制度では、起点に含めず、その年度の処遇改善手当の支給額を支払うことになりました。

新制度に関する注意点
申請度に変更になり実務で、特に注意しないといけない点をまとめています。
加算Ⅰ及び加算Ⅲ(区分2)について
①区分②と区分③の合計額の1/2以上を基本給・決まって毎月支払われる手当により支給しなけばいけません。
加算Ⅰ(改善分)は全額賞与でも支給可能でしたが制限が増えています。
②加算Ⅰの基礎分(定期昇給分)の報告が必要になりました。
③キャリアパス要件で必要となる「研修」は施設・事業所職員の職位、職務内容等に応じた研修(所長研修、主任保育士研修など職位に応じた研修、或いは職務内容に応じた研修など)を実施、又は研修の機会を確保していればよく、研修内容は、社会通念上、明らかに職員の研鑽目的でないものを除き、施設の実情に応じて取り組んでいれば認められるものになります。
また、フィードバックについては、個別面談や、自己評価等を実施しておいた方が分かり易く無難となります。
加算Ⅱ(区分3)について
①4万円を1人以上支給の要件は撤廃なります。
②20%を上限として同一の設置者・事業者が運営する他の施設・事業所における賃金の改善に充てること
ができましたが、区分3は充当できなくなりました。
③区分3による賃金の改善対象として、研修修了見込みの者を含むこととなっています。
そのため、4月1日時点で副主任等の予定者の研修が全て終了していなくても許容されることになりました。
なお、加算額算定に係る研修修了見込みの者が年度内に研修を修了できなかった場合、加算額の返還を求めることまでは要しませんが、翌年度に、速やかに研修を修了することが求められます。
④主任保育士に対して、5千円以上4万円未満の範囲内で賃金改善を行うことが可能です。
⑤主任保育士等は研修修了していなくても、賃金改善が可能です。
賃金水準について
①施設独自の改善額は加算額を超えて実施した賃金改善額を前年度の賃金水準から除くことができます。
②令和7年度以降の処遇改善等加算では、基準年度の「加算額等の影響を除いた支払賃金総額」と加算年度の「加算による改善額等の影響を除いた支払賃金総額」を比較するため、住居手当、通勤手当、扶養手当など個人的な事情に基づいて支給されるもので、個人的な事情に基づきその額が異なることが給与規程等に規定されている場合、これらを除くこととしている。
③業務量や業務時間等によって変動する賃金(超過勤務手当、●●手当等)についても、基準年度より増加(減少)したからといって、賃金が改善(悪化)したと評価できるものではないので、以下のような調整を可能としています。

要確認事項
超過勤務手当については、付け加えることができますが。
欠勤、早退などの控除分については、付け加える事が可能か否かがはっきりしていません。
年度途中の退職職員の考え方も決まっていないようなので、これらが従来の起点賃金と同じように修正可能か否かの判断が自治体の方々で変わってしまう可能性があります。
そのため、年度内に確認し、賞与等の支給額の変更が必要になると思います。
参考資料
こども家庭庁様 処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)
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