令和7年度 保育士処遇改善加算制度の一本化 続報
株式会社四葉企画は保育園の運営をサポートしている企業です。2025年9月2日時点の情報となります。
項目ごとのサポートも可能ですので、ご興味ある方は、事業内容をご覧になって下さい。
「処遇改善等加算」一本化 (9月2日更新情報)
前回の更新の際に、欠勤などの控除分については、前年度の数字ではなく、現在の起点賃金水準同様に調整が可能か否かがはっきりしていないと記載していましたが、こども家庭庁様より更新情報が掲載されました。処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)のNo55に類似の質問、回答が掲載されております。
問 時給や日給で雇用している職員の場合、時給や日給を増額していても、勤務時間や勤務日数が基準年度より減ること
があり、結果として年間の支払賃金が下がることがあります。このことが要因で、処遇改善加算等通知の第2の2の(4)の
「①加算当年度の加算による改善額等の影響を除いた賃金見込総額」が「②基準年度における加算額等の影響を除い
た支払賃金総額」を下回っていないことの要件を満たさなくなることも考えられますが、このような場合はどのよう
に取り扱えばよいでしょうか。
答 時給や日給のように、勤務時間や勤務日数により支払賃金が変動する者については、基準年度の賃金について、その勤務時間や勤務日数を加算年度と同じものとして計算を行い、計上して差し支えないものとします。
以下のイメージの場合、基準年度の支払賃金を162.0万円(時給1,500円×1,080時間)として差し支えありません。
(イメージ)
加算当年度:支払賃金(実際の額):167.4万円(時給1,550円×1,080時間)
基準年度 :支払賃金(実際の額):216.0万円(時給1,500円×1,440時間)
↓ ↓
基準年度 :支払賃金(調整後) :162.0万円(時給1,500円×1,080時間)
なお、こうした調整をしなくても、「①加算当年度の加算による改善額等の影響を除いた賃金見込総額」が「②基準年度における加算額等の影響を除いた支払賃金総額」を下回らない場合は、こうした調整をしなくても差し支えありません。
また、加算当年度に在籍し、基準年度に在籍していない職員がいる場合は、加算当年度と同水準の賃金が基準年度に
支払われていたものと仮定して計算するものとすることと「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について」に記載がございます。
そのため、基準年度に残業が多い職員、加算当年度に欠勤が多い職員には追加支給しないといけないという不平等の賃金体系にはならない良い仕組みになる見通しになっています。
「処遇改善等加算」に一本化の経緯(前回までの記載内容)
事務手続きの簡素化等の観点から、「処遇改善等加算」に一本化することが令和7年度からきまりました。
イメージとしては、加算Ⅰ(基礎分)=区分1、加算Ⅰ(賃金改善分)及び加算Ⅲ=区分2、加算Ⅱ=区分3となります。
制度を簡潔にするため、賃金改善計画書の作成が原則不要(新規園除)になりました。
また、起点の考え方がなくなり、シンプルに前年度の賃金との比較になりました。
これまでは、起点賃金に処遇改善手当が含まれていたたため、園児数の減少、土曜日閉園等の影響があっても賃金を維持しなければいけませんであした。新制度では、起点に含めず、その年度の処遇改善手当の支給額を支払うことになりました。

新制度に関する注意点(前回までの記載内容)
申請度に変更になり実務で、特に注意しないといけない点をまとめています。
加算Ⅰ及び加算Ⅲ(区分2)について
①区分②と区分③の合計額の1/2以上を基本給・決まって毎月支払われる手当により支給しなけばいけません。
加算Ⅰ(改善分)は全額賞与でも支給可能でしたが制限が増えています。
②加算Ⅰの基礎分(定期昇給分)の報告が必要になりました。
③キャリアパス要件で必要となる「研修」は施設・事業所職員の職位、職務内容等に応じた研修(所長研修、主任保育士研修など職位に応じた研修、或いは職務内容に応じた研修など)を実施、又は研修の機会を確保していればよく、研修内容は、社会通念上、明らかに職員の研鑽目的でないものを除き、施設の実情に応じて取り組んでいれば認められるものになります。
また、フィードバックについては、個別面談や、自己評価等を実施しておいた方が分かり易く無難となります。
加算Ⅱ(区分3)について
①4万円を1人以上支給の要件は撤廃なります。
②20%を上限として同一の設置者・事業者が運営する他の施設・事業所における賃金の改善に充てること
ができましたが、区分3は充当できなくなりました。
③区分3による賃金の改善対象として、研修修了見込みの者を含むこととなっています。
そのため、4月1日時点で副主任等の予定者の研修が全て終了していなくても許容されることになりました。
なお、加算額算定に係る研修修了見込みの者が年度内に研修を修了できなかった場合、加算額の返還を求めることまでは要しませんが、翌年度に、速やかに研修を修了することが求められます。
④主任保育士に対して、5千円以上4万円未満の範囲内で賃金改善を行うことが可能です。
⑤主任保育士等は研修修了していなくても、賃金改善が可能です。
賃金水準について
①施設独自の改善額は加算額を超えて実施した賃金改善額を前年度の賃金水準から除くことができます。
②令和7年度以降の処遇改善等加算では、基準年度の「加算額等の影響を除いた支払賃金総額」と加算年度の「加算による改善額等の影響を除いた支払賃金総額」を比較するため、住居手当、通勤手当、扶養手当など個人的な事情に基づいて支給されるもので、個人的な事情に基づきその額が異なることが給与規程等に規定されている場合、これらを除くこととしている。
③業務量や業務時間等によって変動する賃金(超過勤務手当、●●手当等)についても、基準年度より増加(減少)したからといって、賃金が改善(悪化)したと評価できるものではないので、以下のような調整を可能としています。

参考資料
こども家庭庁様 処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)
※記載内容の引用はお断りしており、本サービスの利用によって、お客様及び第三者に生じた損害においては、当社の故意又は過失に起因する場合を除き、当社は責任を負わないものとします。

